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食用油の知られざる現実と製法について

体の健康を左右する重大な油のお話ですので2回に分けて記事にさせていただきます。

 


 

食用油の現実

 

十数年前になりますが、僕の実妹がフランスへ嫁ぎまして、暫くすると当地のオリーブオイルを送ってくれました。

オリーブオイルか・・・

今時日本では、世界のオリーブオイルは手に入るようになったし珍しくもないし、わざわざ高い送料を使って送るほどでもないのにな~なんて思いました。

日本で売られるものと差があるのかな・・・?

なんてテンション低めで届いたオイルを開封して、とりあえず生野菜にかけて食べてみました。

食べた瞬間!!!、信じられない美味しさにそれはそれは圧倒されました!

「何だこれは!」とにかく野菜が化けたかのように美味しく、思わず唸ってしまいました。

日本で売られるオリーブオイルとは、次元が全く違うのです。

嗅いだ事のないフレッシュな素晴らしい香り、全く油っこさを感じず、野菜やお魚がマジックをかけたかのように意味不明に美味しくなるのです。

それからとういもの、パスタ作りなどオリーブオイル料理にはまってしまいました(笑)

油とにんにくだけのぺペロンチーノが恐ろしく軽く、麺と油とにんにくの旨みが素晴らしく美味しいのです。

まさに、オイルショック!です(笑)

 

この体験から、オイルの奥の深さ、実態に興味が湧きました。

 

妹に聞くと、そのオイルは、フランスの田舎で、無農薬、無化学肥料に拘ったオリーブ畑を営む知り合いのおじさんのオイルで、昔ながらの小規模、伝統製法で、小さなエリアながらご当地でも有名な高級オイルと言ってました。

 

フランスでも安い粗悪品が主流になっていて、このオリーブオイルは高級品、一般人は高いのでほとんど買わないといっていました。

日本円で500cc=2000円ぐらいだとか言ってました。

これです↓

健康に良いと言われ、オリーブオイルはかなり人気のようですが実は、日本で売られるオリーブオイルは、まがい品が実に多いのです。

水素添加をしたオイル(硬化油)、大豆・ヘイゼルナッツ・キャノーラなどを混入しコストを下げたり、人工的に酸化を抑えようとするオイルが非常に多く、詐欺事件にまで発展していることもありますが、ほとんどニュースに成りません。

結局、大企業商品は、医薬品と同じくこういうところでも保護されているのです。

味や香りは、それなりに上手く仕上げてありますが、本物を知るとその差がはっきり分かりますし、何より健康のためにと買っている人には本当に気の毒です。

「低温圧搾、エキストラバージン」と書かれていても嘘があるそうで、こんな水素添加加工されたオリーブオイルでは、逆に健康を悪くします。

菜種油、米油、ごま油・・・なども全く同じで、油の種類は大事ですが、とにかくその前にどんな油も製法に注目することが大前提です。

大企業が売る食用油は概ねこういったコストダウン(裏)操作がありがちですので、高価になりますが僕はどんな油も昔ながらの小さな製油所の油を強くお勧めします。

 

本物の油は、誤魔化さなくても非常に強く、酸化しにくい、そして驚くほど美味しいという特徴があり、健康への影響も製法一つで天と地の差があります。

 

どんな油を買うにせよ、製法に注目して選ぶことは、大変大きなポイントですね。

 


 

油の製法

 

それでは、主な油の製法について上げてみたいと思います。

 

玉締め圧搾法

これは、昔ながらの伝統的な圧搾抽出で、低温圧搾の部類に入る食べてよい素晴らしい製法です。

圧搾とは、圧力をかけて絞るということで、薬品や、酸化防止剤を使わず物理的に搾り出す方法ですので、効率が悪く20~30%のオイルしか搾りとれません。

高価になるのは仕方ありません。

抽出に時間はかかりますが、熱を持ちませんので化学変化が起こらず原料が本来持っている風味、味や栄養素を生かすことができます。

 

高温圧搾法

 

油の製造効率を高めるため、高温で加熱してオイルを絞り取る方法です。

170度に加熱して圧搾することで、玉締め法の2倍以上、60~70%のオイルを搾りとることができます。

主流ではありませんが、高温に成りますのでイマイチですね。

溶媒抽出法

 

高温圧搾法でもまだ30~40%残っていますので、その残りかすから更に絞り摂る方法です。

原材料に含まれる油を、ノルマルヘキサン(劇薬)などの溶媒に溶かして抽出し、あとでヘキサン等を蒸発させ残った油を、食用油として利用します。

ヘキサン抽出をしたものは、苛性ソーダで中和され、油には残っていないとされているため表示はされません。

高温抽出後、さらに高温にして、溶剤だけを蒸発させ、残ったオイルを遠心分離器にかけて、風味や泡立ちに影響する成分を取り除きます。

活性白土などを使って漂白し、オイルの色を綺麗にし、冷却します。

最後にもう一度、脱臭などのために250度以上の蒸気の中を通し、残ったオイルが完成品となります。

ノルマル・ヘキサン抽出や高温処理は、脂肪酸は安全なシス型から有害なトランス型に変わります。

こうして生成されるトランス脂肪酸は、生活習慣病の大きな原因となっています。

製造工程において、原料の持つ栄養分や抗酸化物質もいっしょに取り除かれてしまうので、開封後の酸化の進みが激しく本来の油のよさがまるでありません。

これこそが危険な油の製法です。

この方法は、実に99%もの油を抽出することが出来、大変効率が良い事からコストダウンにうってつけ、大手メーカーなどはほとんどこの方法で、スーパーに並ぶお徳用の油はほとんどこの製法です。

生活習慣病の主たる原因の製法の安い油・・・これをお得と呼ぶのでしょうかね?

 

低温圧搾法(コールドプレス法)

 

原料となる果実や種子(オリーブ、コーン、菜種など)に熱を加えずに、圧力をかけてオイルを搾り取る方法です。

そのまま圧力をかけて押しつぶして搾ったり、すり潰してから圧力をかけて搾ったりします。

若干手法が違うだけで玉締め圧搾法と狙っているところは同じで、溶剤や薬剤は使わない方法です。

一気に圧を駆けると高温に成りますのでゆっくりと時間を掛け60度以上にならないように絞ります。

抽出に時間がかかり、効率が悪くカスにも結構な油が残ってしまいますが、栄養素やビタミンなどを油の醍醐味を壊さず搾ることができるため、果実や種子のフレッシュな風味があり、栄養価も高くなり、素材が持つ本来の抗酸化力がたっぷりあります。

 

まとめ

 

今回は、食用油のあまり注目されていない製法に特化して書いてみました。

以前の記事で塩は製法で運命を分けるほど違いがあると書きましたが、油も同じですね。

低温圧搾で絞った油は当然高額になりますが、それだけの価値は十分にあると思います。

サプリメントや健康食品、食材に一生懸命になって、食用油は特に気にせず溶媒抽出の安いものを選んで「なぜ病気になるんだ!?」という方は少なくないと思います。

これでは、体が健康に向き難いのは当たり前ですね。

ファーストフードやコンビ二の揚げ物、フライドポテト、スーパーの揚げ物惣菜は、間違いなく溶剤抽出の中でも非常に質の悪い油を使ってコストを極限にまで下げています。

 

長くなりましたので、次回は、オイルの種類などについて書いていきますね。

 

次回にも書きますが、とりあえず毎日の料理によく使う油のお勧めを紹介します。

平出油屋さんの伝統の玉締め圧搾菜種油、天ぷらが全く油っこくなく、素晴らしい風味、味わいです。お菓子つくりにも最高です。

欠点は、これに慣れると外食時などの揚げ物が異常に油っこく不味く感じることです(笑)

 

上の写真のオリーブオイルは残念ながら日本で販売されていませんが、これもお勧めです

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値段は高いですがその価値はあります

 


 

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